前回の私の投稿で今年の連日の酷暑の事を書いていますが、11月の半ばになって、一気に秋が深まり、首都圏でも最低気温が一桁の日が見られ、秋はどこに行った?という季節感になっています。半袖のTシャツからダウンジャケットに衣替えというのも冗談ではないようなこの頃です。
環境省のホームページに、気候変動に関するテーマを扱っている脱炭素ポータル(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/)というのがあり、10月23日付で「2025年夏の記録的高温の要因とは?~気象庁異常気象分析検討会による分析結果の概要~(2025年夏の記録的高温の要因とは?~気象庁異常気象分析検討会による分析結果の概要~ – トピックス – 脱炭素ポータル|環境省)」という記事が載っています。その記事に2025年夏の天候の特徴として以下のように整理され、要因分析も行われています。興味ある方は、上記のURLから記事をご覧ください。
- 北・東・西日本では、6月と7月、および夏として1946年の統計開始以降最も高い気温を記録しました。また、日本の夏平均気温偏差は+36℃と、昨年、一昨年の記録である+1.76℃を大幅に上回って、3年連続で1898年以降の統計開始以降最も高い値を記録しました。
- 群馬県伊勢崎で国内の歴代最高気温となる8℃を観測したほか、夏の猛暑日や日最高気温40℃以上の延べ地点数の記録も更新しました。
- 多くの地方で早かった梅雨入りに続いて、過去最も早い梅雨明けとなり、季節進行が早くなりました。このため、6月後半から各地で猛暑日が観測されるとともに、少雨が顕著となって、北陸地方では7月の降水量が1946年以降最も少ない記録となりました。
- 北陸地方と九州地方では、8月前半に記録的な大雨となったところがあり、鹿児島県と熊本県では大雨特別警報が発表されました。
記事中に気象庁の観測データに基づく「2010年以降の夏の猛暑日と日最高気温40℃以上の延べ地点数」(出典: 令和7年夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴とその要因及び8月前半の大雨をもたらした大規模な大気の流れの特徴について(気象庁)https://www.jma.go.jp/jma/press/2509/05b/kentoukai_bessi20250905.pdf)というグラフがあります。今年の猛暑日となった地点数が年間合計で9385地点と過去最高を記録しています。昨年も暑かった記憶がありますが、昨年の8821地点より多くなっています。2010年以降、3000地点くらいが平年とすると、2018年、2023年が約6500地点と多かったようですが、昨年と今年はそれを大きく超えています。また、40℃以上を記録した場所も、今年は30地点と、過去多かった2018年の倍近くになっていました。ニュース等でも過去最高や記録更新という言葉が多く聞かれましたが、改めてこれまでに経験したことがないほど暑かったのだと実感させられます。
私の印象では、今年の夏は異常な暑さが長く続きましたが、所謂ゲリラ豪雨と言われるような、天気の急変とバケツをひっくり返したような豪雨になるのも特徴だったように思います。そして、南の海上で発生する台風は、超が付くほどの大型で瞬間風速も50mを超えるものがいくつも発生し、日本を含めアジアの国に大きな被害を与えました。国内に限っても被害の規模が年々大きくなっているように感じるのですが、雨や台風による大きな被害が同じ地域に繰返し発生しているのも特徴のように思われます。
このような異常気象を起こしている原因のひとつとして温暖化や気候変動が言われます。現在、ブラジルのベレンで国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第30回締約国会議(COP30)が開催されています。パリ協定(COP20)から10年ということで、これまでの活動状況や削減目標達成状況の確認とともに、次の10年間の活動計画が議論されていると思います。カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に向けて、現実的な議論が進むのは良いことですが、一方で気候資金の支援や緩和対策等での国家間や地域間の対立等が新たな問題となっているのは残念な状況です。
季節は冬という感じです。インフルエンザも流行しているようです。エアコンの運転モードを冷房から暖房に切り替えるように、我々の意識も冬モードの体調管理が必要なようです。